「インテリアコーディネートの仕事をしています。」というと、皆さん「夢があってやりがいのあるいいお仕事ですね。」と言ってくださいます。
そうです。一番装飾的で具体的に見える部分を担当させて頂いているのですから、ありがたいことです。
さて、インテリアコーディネートとインテリアデザインの違いをご存じでしょうか?実は似ているようで全く違います。
インテリアデザインは、何もないところから空間をデザインし作り上げていく仕事ですが、インテリアコーディネートは既存にあるものを組み合わせるために選ぶことを、お施主様とともに行っていくお仕事です。
「デザイン」が、作り手主体であり作り出したものが商品になるのに対して、「コーディネート」はあくまでもお客様主体で、選ぶお手伝い・あるいは交通整理のようなお仕事です。教え子たちにも「コーディネーターになるならお客様の意向を第一に、どうしたら実現できるかを考えていくように」とアドバイスしています。
そのため何を第一に学ぶかというと、基本イメージの確立です。
「イメージ」とは、皆さんもよく聞いたことがあると思いますが、ナチュラル、エレガント、モダン、クラシック、シック、カジュアル、ダンディー、ロマンティックなどです。
他にもたくさんの新しいデザインやイメージが出てきますが、基本として8種類を選んで定義づけをしていきます。「シックなのが好き」と言っていたのに、よくヒアリングしていくと、実はエレガントのことだったというケースもあります。
この8種類の違いを会得して初めてお客様に「そちらはこういう理由でちがう仲間です。でもこちらなら調和を取りながらアクセントを加えられます。」などとアドバイス(交通整理)できるわけです。
デザイナーと違って、コーディネーターとしては、お客様が納得して気持ちよく決定できるようなアドバイスができなければならないと考えております。
では今回はまず、「ナチュラル」を定義づけしてみましょう。
と、このようにイメージに合うと感じるいろいろな分野のものを一枚のボードに貼り付けて、「イメージボード」を作る作業をしていきます。
これは個人の好みやセンスだけに頼らずにアドバイスできるようになるための訓練なのです。
やなぎたハウジング
インテリアコーディネーター:市川