大きな家の部分断熱リフォーム(真岡市 K様邸)
真岡市・K様邸 設計コンセプト
この形は35年前の農村住宅のステータスとしてこのデザインの美しさ、丸太梁の組み方、木柱の豪華さ、建坪の大きさを競うがごとく建築されました。
当時の建て主が、長男が結婚しても住めるようにと床面積を大きく取りましたが、2世帯的な考えは全く反映されていませんでした。
最近では、長男夫婦が敷地の一部へ新築するか、近隣へ新築する例が多くなりました。と言うことで大きな家に親夫婦2人で暮らしている家が殆どです。
今回のリフォームでは、親夫婦が使うゾーンをまとめ、そのゾーンを高断熱住宅に改修した「部分断熱改修工事」の例です。
建築地 |
真岡市 |
竣工 | 平成25年6月 |
既存床面積:52.9坪 リフォーム部分面積:26.6坪 |
部分断熱は“こんなお悩みの方”におすすめです!
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子供たちが独立して部屋が余っている(使っていない部屋がある)
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しかし、子供が帰省した時に部屋がないと不便なので減築もできない
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せめて日常使うトイレ,浴室,脱衣室,寝室,LDKのゾーンは温度差による体への負担を減らして健康に注意したい。
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老後の財布にやさしく、温熱環境が良く、バリアフリーの空間で生活したい
断熱リフォーム仕様
断熱・サッシ・暖房
断熱材 |
グラスウール断熱材は昔の様なヘナヘナ(低密度)のGWではなく自立する! ブローイングは,専用の機械で綿の粒状にカットしたGWを吹き込む 天井:GWブローイング ア)300mm 壁: HGW16K ア)120mm+一部付加断熱 床: GWボード ア)125mm *GWボードはより密度があって板状 |
サッシ | 樹脂サッシ:ペアーガラス |
冷暖房 | エアコン・石油FFストーブ |
間取りの変更
既存
リフォーム
空調機器と温度計の位置
温度分布
K様 インタビュー
2015年
4月
12日
日
断熱リフォーム 真岡市K様インタビュー
Q1 リフォーム前に困っていたことは何ですか?
冬はものすごく寒く、夏はものすごく熱い家でした。(外気温から±4〜5℃)動線がとても悪く、使いづらい。
築35年で、水回りの老朽化が激しかった。
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トイレ
水洗和式で段差あり。ポータブルをかぶせて使っていたので、足が届かない。
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風 呂
寒い。壁が漆喰だが、10年ぐらい前に大量にはがれた。
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洗面所
窓もないため暗いし、換気扇もないため湿気が多く、床を一度張り替えた。玄関の真正面に位置していたため、来客の視線が気になる。
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キッチン
広いが、収納しづらく不便な設備。窓やドアの位置が悪く、食器棚や家電収納の位置も使いづらく感じていた。
廊下やキッチンの床が抜けそうだった。
大震災後、茶の間の柱が明らかに曲がっていて怖かった。
Q2 高気密高断熱への改修工事について聞いて、初めはどう思いましたか?
正直、聞いただけではよくわかっていなかったと思う。
実際できあがった新築の現場も見学したのですが、目的を考えずに見ていただけだったので、デザインや仕上がりばかりに気を取られてしまっていました。
なので、断熱については「リフォームするんだから今までよりは、あったかいんだろう。」くらいの認識でしかありませんでした。
Q3 ではなぜ断熱改修工事を決心できたのですか?
社長や設計士の弟から、「せっかくリフォームするなら断熱気密の改修工事を含めたほうがとてもメリットがあるよ。」と前から言われていたからです。
Q4 今、お住まいになって半年以上たちましたが、住み心地はいかがですか?
正直、ここまで温度環境が快適になって、生活がよくなるとは思っていなかったです。住んでみて初めて高気密高断熱住宅の良さがわかりました。
この良さが住んでみないとわからないのが、今ではもどかしく感じるほどです。さらに、うちは入母屋造りの農家住宅なので、そもそもこういう工事ができると思っていなかったんです。周りがみんな設備を新しくしたリフォーム工事が多かったので・・。
またうちは、付加断熱までしなかったのですが、シングル(充填)断熱でも、真冬の朝13℃はあるので体も楽ですし本当に満足しています。うちは部分断熱改修なので、快適さに差がありすぎて断熱してないところには本当に出たくなくなりました。昔は部屋ごとに区切られていたので掃除機かけが大変でしたが、ワンフロアみたいで開放的なので掃除もしやすくなりました。バリアフリーで、廊下も1mぐらい幅があるので動きやすいです。要所に機能的な収納も作ってもらったし片づけやすく家事がしやすい設計にしてくれたと思います。
茶の間には、ニチベイのスクリーンを入れました。レースとドレープの両方の機能を持ったスクリーンで、シンプルなデザインが気に入っています。このスクリーンは、上はレース地で光が入り、下は隠れるのでカーテンだと昼寝しているところを見られてしまうけど、不用意な姿を見られる心配もないです。社長や設計士の弟から「せっかくリフォームするなら断熱気密の改修工事を含めたほうがとてもメリットがあるよ」と前から言われていたからです。
アドバイス通り、キッチンやお風呂やトイレは、その機能を果たせれば十分だと感じています。高価でハイテクな設備機器にではなく、その分を断熱気密の改修工事にかけたので十分満足しています。希望を聞いてもらいながら、将来的な安心も得られ、リフォームを工務店という家づくりの専門家に任せてよかったです。
Q5 K様はリフォーム後、知り合いの方が見学に来たということですが、皆さんのご感想は?
もう200人以上見に来てくれましたが、うちより少し先に同じ入母屋の家をリフォームしたある人は、「こんなリフォームの仕方を知らなかった!ここを見てからやればよかった!!」と、何度も言っていたんですよ。
また、前の家との温度や間取りや内装のあまりの変化に、違う空間だと思ってしまうようで、「リフォーム工事ですよね」と言いながら玄関から新しい茶の間に入ると、なぜか「二世帯にしたの?」とか、「ここは増築したんでしょう?」と言われるんです。こういう反応が一人や二人ではないんです。「温度が一定で、きれいでホテルみたいだ。」とか、「うちと同じで北側にあるキッチンなのに、ここは明るいね」とほめてくれました。
また、夏の話ですが、前の家では部屋の温度が35度もありましたが、今ではエアコンの温度は28度に設定してすごしています。すぐに涼しくなるので気持ちがいいです。お客さんに冷房設定が28度だといったら、「28度なんて暖房温度だべ?!」と、びっくりしていました。そのお宅では冷房設定温度を16℃にしているそうです。
Q6 結露についてはいかがですか?
息子の部屋と、寝室の北側の小窓だけが結露します。
あ!吸気口が「閉」になってる!
換気に気を付けておきます・・・。
K様、たくさん答えていただき、ありがとうございました。
(有)やなぎたハウジング 設計・施工