これもよくあるトラブルです。
「坪単価約40万円の仕様で、自由設計を進めましょう。」と、設計がスタートします。2〜3ヶ月間、時間とパワーを使って、ほぼ設計が終わりました。
そこで、正式に部材数量を拾い、見積りを出します。
建物の内容は以下の通りです。
法廷延べ床面積は40坪
10帖程度の大きな吹抜けがあり、バルコニーも12帖と広く道路から玄関アプローチの間は全面タイルとしました。
さて、見積りは、大雑把にいくらで出てくるのでしょう?
40坪(法廷延べ床面積)×40万円(坪単価)=1600万円
・・・と、思われたのではないでしょうか?
しかし、そのようにはまず算出されません。
多分出てくる金額は、1900万円〜2100万円くらいだと思います。
?????なぜそういう計算になるのでしょうか?
大きな食い違いは「面積」の認識です。営業マンの説明が不充分ですと、お客様は坪単価の面積が「法廷延べ床面積」だと思ってしまいます。
しかし実際は違います。
吹抜けは、床はありませんが、壁や天井はひと部屋分あり、内部足場も必要になります。
バルコニーは、床の防水施工や、手摺り、外壁などが増えています。
アプローチもタイル等材料や工事が増えています。
しかし、このうちのどれも「法廷延べ床面積」には影響しないので一見、面積の数は増えていないように思えます。
「坪単価」に掛ける「面積」とは、「法廷延べ床面積」ではなく、「施工面積(工事面積)」なのです。
吹抜けも、バルコニーも「面積」に加えて計算しておかないと、部材数量を拾ったときに、結果として大きく食い違った見積り金額になってしまい、トラブルが発生してしまいます。
契約をやめて、他の会社で見積りを取ってみても、そんなに安く出るわけでもありません。今までの労力も無駄になり、ましてや「嘘ついたんだから・・」と、営業マンに値引きをさせれば、結局はいろいろ手を抜いた工事をされるか、材料を落とされるか・・といった建物が建つだけです。
2006年06月