工務店として瓦屋根の応急処置・ブルーシート掛けに追われる中で、総2階建ては耐震に有効であるとともに2階屋根の瓦が落下して、1階の屋根瓦を割るリスクがない事に気づかされました。この被害は意外と多かったのです。
また急勾配の屋根になると足場等が必要な上、安全面を考えての作業となり余計な作業が増え、応急処置作業の効率を悪くしました。
これは将来のメンテナンスでも変わらない事実です。
私は震災前から、建築費のコスト削減・メンテナンスのしやすさ・耐震性から家はシンプルなデザイン(できる限り総2階建てに近づける)ことをお勧めしていましたが、震災後はあらためて強く意識するようになりました。
やっぱりQ1住宅(高断熱のパッシブデザイン住宅)
友人が仙台の若林区に住んでいます。しばらく連絡が取れず、心配しました。
しかし、津波・地震の被害はないとの本人からの電話にホッとしました。
震災後停電が続く日々のなか、仙台では朝方は-3℃から-4℃という日が続いたのですが、「自宅をQ1住宅に断熱改修(リフォーム)したおかげで、外がこんな寒さでも室温が最低でも13度以下にならなかったので、不便な中でも本当に助かった。」と話していました。
また、珪藻土壁の被害もなしとのこと。
その理由として彼は、「下地のボードを、厚み9.5mmを二重に貼ったからだと思う。費用はかかったけどこうなってみると本当に良かったな~。」と言っておりました。
「2枚貼りは、耐震的にも強度が上がるパッシブからみると、ボード類は蓄熱容量が多いので、2枚貼りは有効」
彼がリフォームを計画するときに、パソコンで冬の日射取得と夏の日射遮蔽をシミュレーションして、軒の出を決めていたことも幸いしました。
リフォームでは素敵なキッチンや流行の広いリビングの為に柱や壁を取る要望が多く、(TVの影響か?)耐震性や、断熱向上の話がなかなかできません。
私たちがお勧めしても予算上の事もあり、耐震・断熱向上の話は進みません。
耐震診断はパソコンで診断できます。リフォームのときは断熱・耐震改修のチャンスです。